下痢と嘔吐の両方があるということは、病気が下痢だけより重い、又は広い範囲の部分で炎
症が起こっていると考えていいと思います。現在、病気がどのような状態であるかを判断する
時、その判断は一層複雑になります。

　複雑な時は見方を単純化したほうがいいようです。部分を見ないで､全体を見ます。動物が
いつもより元気であるかどうか、元気であれば少しぐらい様子を見ても良いし、元気が無けれ
ば、観察を強め判断を正確にします。

(1)　嘔吐があって、時間が経過してから下痢が始まった。この場合、食べ物又は異物が口か
　　　ら入っていくに従って、臓器からの情報を判断して、頭が命令していると思われます。処　
　　　置は嘔吐も下痢も止めない方が良いでしょう。食事も与えないで様子をみるのがいいと思
　　　います。

(2)　嘔吐と下痢が同時に起こっているときは、頭は相当に事は重大だと判断して、嘔吐と下　
　　　痢を命令していると考えます。全体の様子次第では、緊急の治療が必要です。食事は勿
　　　論のこと水も与えないことです。

(3)　例えば、薬品を誤って飲んだとします。頭は　こりゃ大変だと大急ぎで命令します。嘔吐と
　　　下痢です。薬物中毒です。早い時は30分以内に死亡というのもあります。逆に6時間ぐら
　　　いを経過すると峠を越えます。状態によっては、緊急に治療の必要があります。

(4)　このようなときのために、かかりつけの病院のほかに、日曜日、休日でも開院している病
　　　院のデーターを用意しておきましょう。