全般の解説

　身体の後､半分の空洞の部分を腹部といいますが､この中に入っているものは胃、腸、肝臓、
腎臓、脾臓、すい臓、膀胱、子宮、腸を支えている腸間膜です。これらのうち、どれが大きくな
っても、お腹は大きくなります。その他のものとして、健康な時には無いが、病気の時のみ、出
来てくる物に、腫瘍と腹水があります。

�@　急にお腹が大きくなるものは、胃、腸、膀胱です。お腹一杯食べれば、大きくなります。子
犬、子猫では著しいようです。限度を超えていると頭は嘔吐するように命令します。食べ物が
胃を通過して、なおかつ、限度を超えていれば、頭は下痢をします。元気であれば、心配あり
ません。

�A　お腹でも後の方が大きい時は、膀胱のことが多いです。尿道が詰まって尿がでないとき、
お腹が大きくなります。(尿がでませんを参考にはしてください)

�B　お腹でも前の方が大きくて、急ということになると胃と腸にガスが溜まることがあります。ガ
スと言っても馬鹿にできません。病名は鼓腸症といって、30分ぐらいで死ぬことがあります。大
きな牛でも同様です。お腹が痛くて動けなくなります。かかりつけの先生がおられない時は、ど
んどん電話を掛けて診て貰える病院をさがしてください。

以上3つは、最近どころか、一日でなります。

�C　お腹に水が溜まる病気があります。溜まる液は透明の液、血が混ざった液、膿状の液な
ど病気によって、いろいろです。どの場合も初期は座ると水がお尻のほうへ移動しますから、
下腹が大きくなります。病院に行ってください。

�D　微妙なところですが、子宮に膿が溜まる子宮蓄膿症と云う病気があります。犬猫とも8歳以
上に多いです。水の飲む量が多くなることが多いようです。治療は、初期ですと、外科的に子
宮を取り除くことが多いです。