昨日、犬の治療に来られ方が、治療が終わってから、他所の家の事で聞い
てもいいですかと云われました。
　
　妹さんの家では、沢山、猫を飼っておられますが、此の度、はじめて４匹の
子猫が生れました。まだ、５日目だそうです。
　親が子猫を加えて歩くのですが、朝起きたら自分たちの小屋にしている所
から、離れたところに子猫を置き去りにしていたそうです。妹さんには、連れ
出す子猫が、どうも同じ子猫に見えるのと、その子猫は、少し痩せて見えるら
しいです。

　なぜ　連れ出すのかとの質問です。いじめでしょうかとの質問です。

本当の理由は、尾や猫に聞いてみませんと分かりませんが、今までに、20匹
ほどねこを買った経験から考えることは、苛めではなく、逆に心配で、一番大
切な子猫を安心できるところに連れて行こうとしているのではないかと考えま
す。
心配で子どもを連れ出すのは、猫に限らず、犬も行います。
犬の鼻の機能がよいのは良く云われることですが、臭いを気にするのは猫
の方だと思います。
現在、我が家には、12歳になるアメリカンがいますが、この猫は、食事を貰っ
た後、決まった行動をします。主に茶の間で寝るのですが、その前に、狭い
四畳半の中を検査します。テレビの後ろ、次にテレビの下の戸袋の中です。
ここには、入りきれないビデオ等のテレビ付属品が収容されています。占め
ますと、テレビをコントロールする音波(電波?)が届きませんから、戸をあけて
あります。その中は、結構広いので、中に入り検査をします。狭い部屋には、
新聞紙を入れる籠、背の低い整理棚、横に鏡台、東のコーナーには、家内
の身近に使うものが整理よく並んでいます。その奥には、備え付けの洋服タ
ンスと下着を収納する引き出しがあります。そこから、物を取り出すために、
整理棚はとタンスの間に少しの空間を設けています。この空間の奥も、必ず
入って検査をします。
　全部検査が済みますと、おいしい物を貰った時ほど、丁寧な顔の手入れが
行われます。
それは自分の好きな位置で始まります。もし、そこに人間が坐っている時
は、二番目の位置席を決めますが、一番目の 席が空きますと、すかさず移
動をし、身体の手入れが始ります。手入れは丁寧に行われます。
手入れの場所は、季節によって違います。冬の午前中ですと、東に置いてあ
るテレビの後が気に入りです。朝の太陽が当り、テレビの温もりもあり、一等
地です。お手入れが、進に従って、同差は次第にゆっくりと成り、目の開きぐ
あいも、細くなってきます。
終わりますと、しばらく、ぼんやりする時間があり、それが終了しますと、閉じ
た目は、少々呼ぼうが開けることはありません。
如何ですか。猫は自分の家といえども、毎日安全を確かめながら生きていま
す。

もう一つ重要なことは、ファミリーで生活していることです。従いまして、沢山
の猫を飼っている時は、全部、血が繋がっていますと、何時まで経っても家
族ですが、違う血統の猫がいるときは、それぞれの猫は気を使いながら生活
をしています。

話はそれましたが、私は猫でも、子どもにたいして好き嫌いがあると考えてい
ます。このご家庭は猫が沢山いるのに、子が生れたのが始めてということか
ら、判断しますと、いくつかもファミリーが共同生活をしていることになります。
親猫としましたら、心配で仕方がありません。
一番気になる子どもを安全な場所に連れ出しました。　きっと、その時、残り
の3匹の声が聞こえたのでしょう。くわえていた猫をおきざりにして、３匹の所
に戻りました。帰って来た親に必死で近寄り乳房に食いつきました。お母さ
ん、すっかり置いて来た猫をわすれて、授乳に懸命です。　
親としましたら、5日目ですから、パニック状態だと思います。置き去りにされ
た子猫は、人下の手で小屋に戻されました。この猫だけに、変な臭いが付き
ました。親とすれば、一層、安全な所も見付けなければなりません。　
ここが安全という場所が見つかりますと、そこに子猫を置いて、次の子猫を
連れに戻ります。こうして、次々と子どもを運ぶことになりますが、どうやら、
往々にして、置いた猫を忘れているのではないかと思うこともあります。　家
の中に、安心できる場所が無い時は、その場所を家の外に求めようとしま
す。

5日目の親はパニック状態だと思います。
では、どのように対処すれば良いかと云いますと、お産が近づきますと、家の
状態に変化を加えないことです。生れてすぐは、部屋の掃除もしない方が、
親猫は安心します。
子猫は可愛いですから、ついつい、手に取ってみたいものですが、10日程
は、少し見るだけにして、手で触るときは、手をよく洗ってから触ってあげるこ
とです。
このご家庭では、他の猫がいますから、できれば、近づけないようにしてやる
ことが大切です。

最近は、殆どの家庭では、去勢とか避妊手術をされますが、新しい生命が誕
生すると云うことは、このように素晴らしい猫の生き方を見ることができます。

去勢とか避妊手術をしませんと、癌になるとか、んが壱岐出来ないと指導し
て手術をされる先生が居られると聞きますが、そのようなことはありません。
　そのようなことを云いますと、人間の一人者は、皆さん早く死ぬことになりま
す。
このようなことは、獣医学以外のことです。
猫を診て貰われるときは、できれば猫を飼っておられる先生が良いことにな
ります。