時々、鼻汁をだしてやってくるのですが、抗生物質の注射をし
て、内服薬をお渡ししますと、その後は、やってきません。
しかし、昨日、来院の時は、大分様子が悪くなっていました。
片方の目は、眼ヤニが多く、涙も多く出ています。触られると
痛いらしく、怒って噛みにきます。体重が僅か、2.1キロですの
で、怒っても知れていますが、まだ、歯は揃っていますので、
噛まれますと痛いです。
そのために、飼い主さんも、涙も拭かれませんから、目の下
は、涙でヤケて真っ黒です。

この犬は、そろそろ12歳になりますが、いろいろ悪いところが
ありますので、悪いところのお話をしようと思います。

　涙は溢れて眼の下の部分が、いつもびしょびしょで、眼瞼と
云いますが、ただれて赤くなっています。当然痛みを伴いま
す。涙は眼の鼻に近い部分から、鼻の方に抜けるしかけにな
っています。涙鼻管というところを通って流れます。この管が
詰まっていますと、涙は鼻に行かないで、あふれます。
　あふれますと、眼瞼(マブタ)が濡れて皮膚病になってきま
す。涙鼻管のつまりを治すことが出来るかどうかは、治療をし
てみなければ、なんとも言えませんが、涙でぬれることは防が
なくてはなりません。
　そのためには、涙を減らす必要があります。
下の瞼をめくりますと、裏が見えます。この部分を結膜といい
ます。ここに炎症がありますと、それだけで、涙が多くなりま
す。
　そこで、目薬を使うことになります。治るまでは、時間がかか
ります。それまで、対症療法として、常に涙をふくのも一つの
治療です。
　そのためには、噛まれないようにする必要があります。

その方法は、包帯のような柔かい布で、口をくくります。こつ
は、布ひもを一回結び目を作り、口をくくります。コツは、結び
目があごの下にくるようにします。少し、強めにくくっても、息が
できなくなることはありません。骨があるからです。
　てっしゅペーパーで軽く押さえて、涙を拭いてください。

目薬を使わなくても、涙が減ってくるかも知れません。下瞼が
濡れていましたら、何度も拭いてください。