自分の布団ばかりにおしっこをするとの相談者である男性へのアドバイス
は、他の方の治療中ですので、途中を省いて、「猫は、尿は布団の上です
るというパターンが決まっていますから、そのパターンを変えるしかありま
せん。ケージを購入して、おしっこをその中でするまで、出さない。おしっこ
は、ケージのなかでするというパターンがつくられてしなくなる筈です」この
アドバイスは、少々。ご不満のようでした。なぜなら、ケージはすでに、購入
してあるのですが、入れておくのが可哀そうだそうです。そりゃそうですよ
ね。好きで猫を飼っている人ですから、そんな狭いところに入れて置くなど
できません。そうなると、猫に一部屋を与えて、そこに布団を置かないこと
です。
「途中を省いて」の中身を書きます。
我が家にネネという名の8歳の猫がいます。以前に紹介したと思います
が、タイタニックのテーマ曲をきかせますと、恍惚状態になり、相手は人間
であろうが、犬であろうが迫ってきます。はじめは、楽器に反応すると思っ
ていましたが、人の声にも、楽器をエレクトーンに変えても、ピイアニカで
も、何でも反応します。試しに、曲を変えましたら、荒城の月にも反応しま
す。その他、多くのことで賢いと思える行動がみられます。
　私がよう治療しない病気のために、最適とおもわれる対処方法として、一
回に与える食餌量を少なくしています。そのため、ネネは待ちきれなくて催
促ばかりしてきます。
　ネネとしまして、生き死にの問題ですから、最高に頭を使っています。一
番に貰える相手は私と判断しました。これは、正解です。炬燵に一緒に入
っていても、他の人がたっても出てきませんが、私が立ちますと必ず出て
きて、すりすりをしますから、歩くことができません。これでもまだ足らない
らしくて、この冬は、夜中も催促するようになりました。
　最近は、私も年齢の所為か、腎臓が悪いのか、夜中にトイレに起きるこ
とが多くなりました。寝ぼけ眼で起きますから、何時か分かりませんが、あ
まりにも、毎日ですから、時間を見ますと3時以降が多かったです。時に
は、5時になることもありますが、4時であっても、5時であっても待っていま
す。どんなに寒いときでも待っています。その時の顔は、寒さで固まってい
るような顔をしていますから、私としましては、餌を与えないで寝ないわけ
にはいきません。
　トイレに起きますと、私の方は、しばらく寝ることができませんので、寝間
で明かりをつけて読書ということになります。しばらくしますと、ネネがやっ
てきます。一切音を立てずにやってきます。私の枕元には、読みかけの本
が、読みかけているところで広げて数冊置いてあります。面白いことに、同
じように置いてありますと、そのまま通過します。意地悪く置き方を変えて
おきますと、出した前足を一回だしながら、もう一度引っ込めて、考えてか
ら、本を飛び越えます。この間、私の眼の前を、私の方を見ることもなし
に、通過します。通過してどこへ行くかといいますと、隣で寝ている家内の
ところへ行きます。私が、「ネネ」と声をかけても知らん振りです。意地悪
く、私の布団に引きづり込みますと、直ぐに出てきます。私の布団に入らな
いのかと言いますと、私が寝るときに呼びますと入ってきます。
　このような行動をどのように考えるかと言いますと、私は猫が考えて、こ
れが最高の行動と決まりますと、このパターンは変えることができないので
はないかと考えています。
　賢いと思っていたネネですが、半分以上は本能の働きで生きているので
はと思っています。
そこで、相談者の布団でのみする行動を決まってしまったパターということ
で、違うパターンに変更しようとの作戦です。さて、うまくいくでしょうか? 
若し、再度相談に来られなかったら、うまくいったと考えることにしていま
す。