老齢の猫が、止めた自動車のところから、大声を出しながらやってきました。病院
の中に入らないうちから、元気であることが判ります。
最近は、何でもかでも検査を先にするのが、人では当たり前になってきました。当
たり前であるから、犬や猫も当たり前と思っておられる人が多くなりました。

さて、どうして来院されたかといいますと、ここ一ヶ月咳が止まらない。食欲・元気は
あります。一通り診察しましたが、悪い所をよう発見しません。

なにか新しいものを買われたのではありませんか?　とお聞きしましたが、なにも買
っていないとのこと。
一ヶ月は長いし、心臓も悪くないし、風邪もひいていないし、扁桃腺も大丈夫だし、
アレルギーかな。
家で変わったことをしていませんか?  

あるわあるわ。風呂場に暖房を付けた。畳。壁をきれいにやり変えた。板を張って
クロスを張った。全部
新建材です。クロス屋さんが、この糊の所為で、少し、具合の悪くなる人があります
と云われたがご本人
はどうもないとのことです。家の中、全部した。一ヶ月まえのことです。

診断の意味で、アレルギーに対する薬を渡しました。
まだ、アレルギーかどうか判りませんが、薬がよく効いて止めたらダメなら、アレル
ギーでしょう。もし、
アレルギーなら、濡れた新聞紙を撒いて、窓を開けて掃き出してください。(隣から
叱られるでしょうか?  
最近は落葉を燃やしても煙が来るとしかられますから)　

この指示は、これからの獣医師はしてはいけないのも知れません。最近は、アレル
ギーが何でなっている
か検査をして、結果によっては、抗アレルギー剤を使用しながら、身体が、そのアレ
ルゲンに慣れるよう
にしていく治療をすることになっています。

老齢の猫にたいして、こちらも老獣医師だから許してもらおうかと思っています。