最近は人間社会では、高度医療が持て囃されるようになりました。高度でない医療
を提供する医師は医師でないように報道されています。失敗はとんでもないことで
すが、高度であるほど失敗はつき物です。そこで考えられた物差しは、経験数で
す。手術は経験豊富な方が失敗は少ないであろう。高度な医療を提供しているで
失敗は少ないであろうと云う事で、新聞社は病院名と手術回数を記事にしたりして
います。

そりゃ良い事だとも思っていましたが、
　この風潮は、動物の世界にも波及してきました。
私のように経験だけで診療をしている獣医師は開業の資格がなくなりつつありま
す。
今日は、食事のことを書いて見ます。
動物の食事は、今までのように食べればいいではすまなくなってきました。母親用、
子犬用、成犬用、老犬用のフードが開発されて、私たちが食べる普通の物を与え
ている飼い主は動物を飼う資格がないようになってきました。まだまだ細分化され
て高度予防と高度医療につき進んでいます。
私は、こうしたフードを利用はしますが、あまりしません。

このようなフードが、本当に必要なのかよく判らないのです。頭が古すぎて理解でき
ないらしいです。
人のほうは簡単です。いくら母親に良いからといっても、美味しくなかったら、食べま
せん。老人に良い食べ物と毎日のようにテレビでしていますが、私は意味がないと
思っています。美味しくなかったら食べません。
昨日、昼食を食べに入った店で、サービスランチを注文しました。メニューはこって
りラーメンと焼き飯と鶏のから揚げでした。サービスとあるだけに、ボリュームと値
段(550円)は申し分ないのですが、こってりラーメンがいけません。一口味をみただ
けで、アキマセン(大阪弁・ダメだ)。焼き飯は油こくて両方とも半分だけ食べました。
鶏のから揚げは大きかったですが、二つとも食べました。これでお腹がいっぱいで
す。私には量も多いし、油ヶが勝ちすぎです。両隣のひとも、サービスランチでした
が、あっと云う間に食べて出て行きました。
私は基本的には、おいしく感じるものは、例えば塩分は、そのとき身体が要求して
いるのだと思っています。そして、美味しいものは、食材が新しいのだと思っていま
す。新しいだけではなく、旬のものは、美味しいと思っています。
食材は生きているときが、最高で、その後どんどん劣化していくと思っています。ド
ッグフードも作ったときが最高で、一日一日質が悪くなります。それが判っているか
ら、どの商品でも賞味期限が定められています。
肉や魚も同様です。死んだ時点から、どんどん悪化します。いくら長持ちするように
空気を遮断して缶詰・瓶詰めにしても同じことです。最高級の肉の佃煮といっても、
買ったときが最高で、後は劣化します。
劣化したものを食べたら、どうなるか?　すぐに死にはしませんが、身体に良い訳が
ありません。人のほうで考えればすぐに、判ります。毎日、缶詰を食べる人がいま
すか? 毎日、インスタントラーメンを食べますか? 栄養がどうのこうの問題ではなく、
自然とバランスを取っているのです。犬猫と同じようにしたら、私は寿命が短くなる
と思います。

でも、こんな非科学的なことを云っているからダメなのかも知れません。

皆さんは、ご自分で判断してください。