薬だけほしい
質問 15.11.6 1:50
２１歳の猫（メス去勢済み）です。
腎臓が悪く血尿や吐き戻しがあります。
車の移動が苦手なので（近い病院まで４０分）薬のみ頂きたいと思うのです。
以前のカルテを元に薬だけ要求してもかまわないものでしょうか？
歯槽膿漏もひどいそうです。
猫の入れ歯って・・・・ないのよね。
老ペットのために歯槽膿漏のページもぜひ作ってくださいませ。
返事 15.11.06 9:42
我々の業界にも、規則があります。
簡単なものではなく、獣医師法という法律で定められています。
私たち獣医師が守らなければならないものと、一般の国民が
守らなければならないものとに分かれます。
私たちに課せられているものの中に、診察をしてから、治療・
投薬をすることがあります。
診察とは、問診・視診・触診・聴診、その他の検査により犬の健康
状態を知ることになります。
普通は、犬を直接に診て、判断をすることになりますが、最近
は、仮にアメリカでレントゲンを撮って、この画像を日本で受取
って、また、血液をアメリカで採取して、その結果を日本で受取
って判断することが出来ます。したがって、患者を直接診察しな
くても、診断は可能になっていますから、診察をしてから、治療
というものが、従来のものと変わって来ています。
それでは、直接診察をしなくても、投薬はよいというように、法
律はかわっているのかといいますと、残念ながら、私は確かめ
ていません。きっと、従来とおりだと思います。(診察をしないと
駄目)
仮に、診察をしないで、100％正しい診察が出来たとします。
そうであれば、治療し、投薬しても言いように思われますが、
もし、投薬し、その副作用がでてときは、処置のしかたを間違いま
すと死亡します。猫の体重がいくらあるのか、貧血はしていないか、
痩せていないか など全部考慮して薬の種類。量を決めますので、
やはり、診察をしてからということになります。
しかし、私は、使った薬でどのようなことがあっても、責任は持ちま
せんと口約束だけで、こような時には、薬を渡しています。
これは、獣医師法違反です。
仮にお渡しした薬で死んだとします。
いくら口約束していても、裁判をされたら、私は必ず負けて賠償し
なければなりません。
ということは、獣医師との信頼関係がないと、どの獣医師も薬だ
けはお渡ししません。
私のような、法律をおかしてでも、薬を渡す獣医師は、居られると
思います。
電話をして、頼まれたら、何軒かでは、ＯＫになるのでは。
礼状 15.11.07 0:04
急な質問に丁寧に答えてくれてありがとうございました。
獣医師法の説明、良くわかりました。
さっそく明日、前に診てもらった病院に電話をし相談をしてみます。
もうそろそろなのだから、無駄な治療はせず静かに死なせてあげたいなぁとは思うのです。
でも水を飲んでも吐くのではしんどいだろうと思ったり。。
人間に対する延命治療の是非が言われますが、ペットにも家で静かに死ぬ権利（？）もありそ
うに思うのです。。。
なんか哲学の本でも読みはじめそうな気分であります。。。。
返事の追加 15.11.07 12:25
大橋です
賛成です。人も動物も余計な治療をし過ぎだと思います。
9ヶ月ほど前に、15歳のプードルがやってきました。
口は歯槽膿漏で臭く、家族のものから、あっちへ言って欲
しいように言われていました。歩くのもようようでしたが、
別に検査もしないで、臭いのを取ろうということで、副作用
がでても知らないと念を押して抗生物質を渡しました。あな
たと違う所は、はじめに診察をしました。その後、抗生物質
を続けて飲んでいます。3日ほど前に歩いてやってきました。
元気一杯でした。
いいことに、心臓の音も良くなっていました。
ずっと 飲ませようということになっています。但し、一日に
一回です。
掛かっておられる先生に理解してもらえると良いですね。
頑張ってください。
このコーナーは、掲載するかしないか迷いました。獣医師法違反をしておきながら、
堂々と、全国的に、私はしていますよと宣言しているようなものです。取り締まるこ
とを仕事にしている人としたら、知った以上、そのままにしておくわけにいきません。
毎日、スピード違反をして走っている人が、自慢たらしくホームページで書いている
ようなものだからです。 そのつもりでお読み下さい。 H15.12.04 |
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平成16年2月4日 経過報告がありました。
昨年１１月に２１歳の猫に「薬だけ欲しい」と無理な相談をしました浅川です。
一応、誕生日は１１月１５日という事にしてあり(拾ったのでわからんが秋仔
だろうと思いその日にしていた)無事２２歳の誕生日を祝うことができました。
年明けて１月７日
一緒に寝ていたら朝方いびきをかき始めました。
いびきがやんだなと思ったのが最後でした。
一週間ほど水も飲みませんでしたのでそろそろと覚悟も決めておりました。
しんどかったろうに「私たち家族に精一杯の介護をさせてくれた」事に感謝の
気持ちでいっぱいでした。
また唐突な相談にのってくださった大橋先生や、何も言わず水薬を渡して
くださった病院の先生にも感謝をしております。
無駄な治療と介護・・・どこがどこまでとも思いますが良い別れができたと
思っています。介護というものは残されたものが「自分に納得する」作業
や時間のことなんだなあと感じました。
しばらくは無理ですが、また年が変われば野良猫でも拾いたいものです。
ほんとうにお世話になりました。
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