2月21日　スクーターに乗った女性が、可愛いプラスチック製のお家に入った

　　　ハムスターを連れてきました。中に寒くない様に、綿が入っていました。

　　　暖かいはずなのに、一見したところ、呼吸もしていません。手足・体は死体の

　　　ように冷たく、足は硬くなっています。「飼い主さん(20歳前でしょうか)　手

　　　を出してご覧。こんなに、冷たくなったのはダメですよ」と言って手をださせ

　　　ますと、彼女の手は、もつと冷たかったのです。

　　　彼女、手袋もしないで、必死でスクーターを運転してやってきたのでした。

　　　ああ、死んでいるなと思いましたが、よく観察すると、髭が微妙に動いています。

　　　生きていると思いました。

　　　なにをしたと思われますか？　私はドライアのスイッチをいれ、ドライアを揺

　　　らしながら、一分ほどあてました。そして、飼い主さんに、熱すぎないように、

　　　ドライアを揺らすように、暖めるよう指示し、次は酸素です。

　　　１０分は暖めたでしょうか？　口ひげの動きも無くなりました。もうダメだと

　　　思いましたが、聴診器を当てるでもなく、ひたすら暖めました。また、口ひげ

　　　が動きました。

　　　やや、脱水をしていましたので、リンゲルを皮下にうちました。

　　　先日、死亡しましたと宣言したのに、生き返ったお話をかきました。

　　　今度は、もう少し、頑張るぞと自分で言ってきかせて、続けること3分ほどで、

　　　足が動き始めました。

　　　どんどん、手足が動くようになりました。

　　　歩きはじめました。

　　　まだ、赤ちゃんらしく、体調は7センチぐらいでしょうか。

　　　テッシュペーパーの空き箱で、寝室を作りました。真ん中の底に、ホカホカ

　　　カイロを貼り付け，暑過ぎたときには、避難できるところも作ってやりました。

　　　愈々、帰るときには、紙を引き出すビニールの部分から、飛び出しそうにするの

　　　で、ガムテープで穴を塞ぐほどに、元気になりました。

　　　さて、帰ってもらうまでに、一時間はかかつたでしょうか

　　　酸素も吸わせましたが、暖めたことが、治癒に向かうための最大の処置であつ

　　　たと思います。

　　　寒い中をスクーターを飛ばしてやってきたことが判ります。

　　　随分、後になって、友達の女性と男性が計二人やってきました。きっと、二人

　　　を凌ぐスピードでやってきたのだと思います。

　　　どうにか　間に合いましたが、本当は、スピードを出してくるより、家で、

　　　１０分間暖めてきたほうが、もつと良かったと思いました。

　　　体が冷たくなっているときは、注射などの治療も必要かも知れませんが、診察

　　　などするまでもなく、暖めてやることは大切と思います。