頭のテッペンがふくらんできました
寒くなりました。わんちゃん・にゃんちゃん含め、みなさんお元気でしょうか？
動物病院からの話題は、どうも暗い話ばかりで良くありません。
しかし、これしかありませんので。最近の話題を一つ。
犬・ゴールデンの3ヶ月です。
２０日ほど前に、頭が膨らんできましたと来院。ふくらみの中に、梅干しを入れた
大きさです。大きさ自体は、差ほどではありませんが、頭にテッペンですから、目
立ちます。
元気は、いたって旺盛。言うことナシです。局所の痛みもなし。あっと、言う間に
おおきくなったというお話でしたので、ばい菌でも入ったのでしょうと言って触る
と痛がらない。しかも、全体が硬いものです。骨の硬さです。
それでも、犬が辛抱強くて、痛がらないかもしれないということで、抗生物質を3
日分お渡しして様子をみることにする。
経過は、大きくなっている。局所麻酔で、メスをいれて、中の組織を削りだす。あ
やしい組織をメスで切ると、結構抵抗があります。ハサミできりますと、手にジャ
リジャリというような感じを受けます。
この様な、例は、今までに、同じゴールデンとシェパードの子犬で経験しています。二匹とも、３
回腫瘍を取って、その後、治りました。一頭は、ボクサーのオス、５歳 硬いものは、足の骨か
らできていました。7歳シェパード・脊髄に出来る。後ろ2例は、痛みがひどいのと、手術後、一
週間後には、元通りになっていました。
今回の犬は、ケースとしては、前2例と同じパターンです。
皮膚を縫合して、「ハイ、終了です」と帰ってもらいました。
一週間後、抜糸をするつもりでおりましたら、12日目に、倍の大きさになってやっ
てきました。やはり、硬い組織です。
一こぶラクダのコブが、頭にあるような感じです。やはり、痛みはなく、
元気そのものです。
あまりにも、大きいので、全身麻酔をかけて、今度はじっくり、時間を掛けて
組織を取りました。
頭蓋骨の中央に、3センチの長さに、赤い部分の組織があり、あたかも、その部分か
ら、腫瘍が生えている感じです。前に書きました犬の時と、同様に、
頭蓋骨をメスでケズリました。
「これで、大丈夫かも知れません」といいながら、翌日、退院です。
３日後に、また、元の大きさより大きくなって、来院。今度は、軟らかいです。
皮膚が治っていますから、もう一度、メスで切開しましたら、血の混ざった奨液が、一杯出まし
た。
嬉しいことに、硬いものは、触りません。今度は、縫合しないで、帰ってもらいま
したら、二日後、元の大きさでやってきました。
今度も、体液だけです。
「これなら、治るかもしれませんね。」
傷口が、一日でくっつきますので、パイプを挿入して、頭にカラフルなビニールテ
ープで止めておきましたら、他の世話焼きの犬が、取って飲み込んでしまいました。
2週間経過して、昨日見ましたら、一段と大きくなり、硬いものばかりになっています。
全身麻酔を掛けて、もう一度、やり直し。頭蓋骨と皮膚の間は、なにもない様にし
ておきましたのに、１センチ半ぐらいの厚さの白っぽいそしきと、赤い組織が混ざ
ってあります。皮膚自体は、炎症のため、３倍ぐらいの厚さになっています。
以前より腫瘍は、回りにも進出し、耳の組織の一部である軟骨も切除しました。
前回と同様に、頭蓋骨の中央に3ミリほどの部分を、電気メスで焼きました。
この根元の部分にメスやハサミをいれますと、犬は痛がりましたので、
この部分のみに、たっぷり、局所麻酔薬を入れました。
ガンには、間違いありませんが、今度、組織検査に出しました。
それにしても、ガンの増えるスピードの速さには、驚きます。
それこそ、凄く可愛いゴールデンです。直ってほしいものです・・・・。
少し、詳しくかきすぎましたか？ 気分が悪くなられたかもしれません。
お許し下さい。
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